クライマックスシリーズのファイナルステージを突破し、6年ぶりの日本シリーズ進出を決めたヤクルト。史上最年少でMVPを獲得したのは、シリーズの命運を握る初戦で無四球の完封劇を見せた次世代エース奧川恭伸(20)だった。

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高卒2年目右腕のCS史上最年少での完封勝利。
プロ野球の歴史を塗り替えた裏側には高津監督との“知られざる絆”があった。

0四球5失點から指揮官との絆

その始まりは、ちょうど1年前の11月10日、 神宮でのプロ初登板だった。

この日も無四球の投球を続けるが、ストライクゾーンで勝負することは、當然打たれる危険性と隣り合わせ。広島打線につかまり3回途中5失點、プロ初黒星を喫した。

「打たれてもいいから勝負しろ」

デビュー戦で唇を噛んだ奧川は、ベンチで指揮官からこう聲をかけられたという。

「高津監督から『打たれてもいいからどんどん勝負をしなさい』と言ってもらいました」

打たれてもいいからストライク先行で勝負しろ

打たれてもなお、自らの投球スタイルを後押しする指揮官の言葉に奮い立ったという。

「あの試合の悔しい気持ちっていうのはキャンプもオープン戦もシーズン中もずっと持ち続けて練習してきました」

今季は球速も155キロまでアップし、新たな球種カットボールも習得。ストライクを先行させながら打ち取れる投球へと進化を果たした。

CSファイナル初戦で無四球完封勝利

そして迎えた11月10日、運命のCSファイナル初戦の試合前だった。高津監督はミーティングで選手を前に、檄を飛ばした。

「全力でバットを振る!しっかり腕を振る!そのことだけに集中してやっていけば、絶対勝てる!」

この言葉を聞いた奧川は「あの言葉があって今日は攻めるんだ、受け身にならずに攻めるんだっていう気持ちになりました」と明かす。

再び指揮官の言葉に後押しされ、 ストライク先行で勝負する奧川。磨きをかけたストレートと、 キレのあるカットボールを武器に巨人打線を相手に無四球完封勝利を飾る。

「どんどんストライクゾーンで勝負していく、しっかり攻められたことがいい結果につながったと思います」

CS初戦託した2年目?奧川の成長

1年を経て大舞臺で見せた成長に指揮官も目を細める。

「奧川の投球は素晴らしかったと思いますね。 勢い、流れ、雰囲気、あの投球が色んなものをチームにもたらしてくれたと思います。將來的には必ずチームを引っ張って、日本を引っ張っていくような大きな投手になってほしいと思って成長を見屆けてきましたが、あの大事な初戦であのくらいの投球をするとは思ってはいませんでした」

さらに、初戦の先発に起用した理由については、こう明かす。

「本當のことを言うと先のことを見て決めました。來年であったり彼が25歳、30歳の時に果たしてどうなっているかというのを考え、CSの初戦を投げさせることはすごく大きな意味があるんじゃないかと思って指名しました。(指名した時)びっくりするぐらいのノーリアクションで、『はいっ』と言うだけでしたけど(笑)」

パ王者倒して20年ぶりの日本一へ

たった一年で奧川を劇的に変えた指揮官の言葉、「打たれてもいいから勝負しろ」
そして次は日本一を決める戦いが待っている。

「しっかりバッターを一人一人、一球一球投げきること。初めて完封してみてすごく気持ちよかったので、全部完封できるそれが一番だと思うのでそこを目指したいです」

?日本シリーズは11月20日、土曜開幕。
指揮官の言葉を胸に、 次世代エースがさらなる大舞臺へと羽ばたく。

日本シリーズ 第1戦
オリックス×ヤクルト
11月20日(土)夜6時から生中継