サメが仲間を“あむあむ”と噛んでいる様子が「思わず笑ってしまう」などと話題になっている。

音楽家の大谷舞さん(@maiohtanifiddle)がTwitterに投稿したのは、「マクセル アクアパーク品川」で撮影したという2匹のトラフザメの様子を収めた動畫。1匹のトラフザメの姿を頭から尾びれへカメラを動かしていくと…

1匹目のトラフザメ
この記事の畫像(7枚)

尾びれの先に別のトラフザメの姿があるのだ。よく見ると、1匹目の尾びれを口にくわえているではないか!あむあむといったように微妙に動く口元は、まるで味わっているかのよう。

2匹目のトラフザメ

1匹目は尾びれを噛まれているのを気にしていないのか、振り払うこともなく微動だにしない。この様子に大谷さんは「ん…ま、まあ別に、ご本人がいいなら…いいんだけども…」とコメントしていた。

仲間に尾びれを噛まれているトラフザメ

Twitterでも「かわいいww」「思わず笑ってしまった」といったコメントが相次ぎ、多くの人がこのトラフザメに魅了されたようで、32萬以上のいいねが付き、動畫再生數は413萬を超えるなどと話題となっている(11月24日時點)。

大谷さんによると、この撮影の數分前に水槽前を通った際はトラフザメの姿は見えなかったそうで、再び通ってみると、既にこの噛まれた狀態になっていたという。1分ほど見ていたところ、その間は特に変化がなかったのだとか。

「トラフザメの顔に見える部分がポカンとした表情に見えてしまって、噛まれてるほうの子が放心してるようでとても可愛かったです」と、感想を教えてくれた。

噛みつくのは繁殖行為の一環

たしかに思わず笑ってしまいそうなシュールな様子だが、実際のところ、トラフザメはなぜ仲間の尾びれを噛んでいたのだろうか? この光景は普段から目にすることはできるのか?

アクアパーク品川の飼育スタッフ?村山早紀さんに話を聞いてみた。

ーーそもそもトラフザメとはどのような生き物なの?

屬種:テンジクザメ目トラフザメ科
生息域:インド~西太平洋
大きさ:最大全長3.5m
特長:海底で身を潛めていることが多い。幼魚の時は白と黒の縞模様であるため“トラフザメ”という名前が付いている。
ごはん:當館ではイカ、サバ、アジ、ホッケを與えています。
性格:當館の個體は普段は水槽の底でおとなしくしていることが多いが、ごはんの時間になると活発に動き回ります。

水槽內を泳ぐトラフザメ(提供:マクセル アクアパーク品川)

ーートラフザメが仲間を噛んでいるが、いったい何をしているの?

繁殖行動の一環と思われます。交尾時は最終的に胸びれに噛みつきますが、交尾前の段階で雌の尾びれに噛みつくことがあります。交尾でクラスパー(交接器)を挿入するためにオスがメスの胸ビレに噛みつきます。


ーーこの行為はよく見られるの?

タイミングは不明ですが、當館でも稀に見られます。今回の行動は繁殖行動の一貫であるため、自然下でも見られると思います。

噛まれている側は傷ができる

ーー噛まれているトラフザメはケガをすることはないの?

噛まれている側は傷ができます。痛いかどうかは當館では分かり兼ねます。


ーーこのまま泳いだりすることはあるの?

體を押さえつけられている狀態なので、普段通りに泳ぐことは難しいと思われますが、(胸びれ、尾びれどちらを噛まれている時でも)噛まれたまま動いていることはあります。

トラフザメの口元(提供:マクセル アクアパーク品川)

ーーTwitterでトラフザメの様子が話題になったことをどう感じている?

飼育スタッフとは違う目線で生きものの行動をお楽しみいただけて良かったです。今回のような機會も含め、生きものにご興味をお持ちいただき、生態をより深く知ってもらえれば幸いです。


ーー最後にトラフザメの魅力的な部分を教えて。

他のサメと違い、丸みを帯びた顔をしておりとても可愛らしいです。

トラフザメ(提供:マクセル アクアパーク品川)

マクセル アクアパーク品川では3匹のトラフザメを飼育しており、同館の2階フロア「リトルパラダイス」で會うことができる。

今回の動畫も噛まれているのが雌、噛んでいるのが雄で、ちなみに、雌は噛まれるのを嫌がって暴れることもあるのだそう。ちょっと笑える光景として話題になったが、トラフザメにとっては繁殖行動の一環だったようだ。